9月9日(土)ぶらりネイチャーきのこウォッチング
2023.09.18
札幌市博物館センター主催のぶらりネイチャー「きのこウォッチング」が西岡公園で開催され、中田理事長、小林顧問、大川原会員、荻原理事の4名が講師役などの協力にあたりました。
この日の参加者は15名。博物館センター山崎学芸員の挨拶と諸注意、講師紹介ののち、早速歩道に入って観察開始。すぐにススケヤマドリがありました。中田理事長からの「広い意味でのポルチーニの一種で、食べられるキノコです」との説明があり参加者が群がります。「どうやって食べるのですか?」「パスタに良いです」「虫が食っているけど大丈夫ですか?」「虫食いの進んだ部分を取り除いてから塩水で虫出しします」・・・・やはり食べられるキノコが出てくると
観察会は盛り上がりますね。
この盛り上がりの中、参加者の一人が脇にあった倒木から発生しているオシロイタケをみつけました。「あー、白いキノコっぽいものが出ている!」と。まだ出始めだったので白い塊のようにしか見えず、参加者からは「赤ちゃんキノコの判別は難しいなあ」との声が聞かれました。
少し進むと、クサハツやドクベニタケなどの毒キノコ、落ち葉などを分解するハリガネオチバタケ、ワサビカレバタケなどが次々と出現。また、「これは何ですか?」「キノコです。モミジタケです」「えっ、キノコとは思いませんでした!胞子はどこから出るの?」・・・などなど。
後半、菌糸が地表に現れている場所があったため、中田理事長が一次菌糸と二次菌糸、キノコの一生を解説。キノコにも性があるという説明には多くの参加者が驚いていました。
この日多く発生していたのはコショウイグチとアメリカウラベニイロガワリ。形が良く参加者から「綺麗!」と歓声があがったのがチチタケ、さらに北海道では珍しいテングタケがあったり、中田理事長にとっても初見となるムカシオオミダレタケが見つかったりなど盛りだくさんのキノコに出会い、あっという間に予定時間が終了。参加者も講師陣も満足感の高いウオッチングになったと思います。
この後、当会の4名は平岸の博物館活動センターに移動。採取したキノコを乾燥標本にしてセンターに保存するため、小林顧問を中心に胞子観察を行って不明種の解消に努めました。高校一年生の大川原会員は心底キノコ好きと見え、顕微鏡をのぞいたり、ルーペを使ったり、図鑑をめくったりして熱心に調べていました。今後の期待度大ですね。
この日観察したキノコは、胞子を見ても同定できなかったものや幼菌のため胞子観察ができなかったものを含めて29種。このうち26種についてセンターの標本にできるよう段取りをしてこの日の活動を終了しました。
なお、終了後、山崎学芸員から、「今回の観察会は皆さんのチームワークもあり、大変楽しくスムーズに、しかも参加者が観察に集中できて、一体感を感じました。とても良い会にすることができ、感謝しております。」「さらに、中田講師が念押しでの小川さん(当会顧問)への写真での同定確認ありがとうございます。」「こうした子ども達の好奇心を受け止める藻岩山きのこ観察会の懐の深さを感じます。」とのお言葉を頂戴しています。山崎学芸員や西岡公園管理事務所の皆様、大変にお世話になりました。(記:荻原)
ススケヤマドリ、オシロイタケ、モリノカレバタケsp.、コショウイグチ、モミジタケ、ドクベニタケ、アメリカウラベニイロガワリ、チャウロコタケ、ムカシオオミダレアミタケ、コキイロウラベニタケ、ハリガネオチバタケ、ケロウジ、ヒロヒダタケ、ワサビカレバタケ、チチタケ、アオイヌシメジ、
カワラタケ、ケシロハツ、イッポンシメジsp. ×2種類、テングタケ、ホウキタケsp.、シロヒメホウキタケ、ネンドタケ、アンズタケ、(クサハツ)、(ツチグリの仲間の幼菌)、(ツリガネタケ)※カッコ書き種名のものを除き、標本用に博物館センターに寄贈。