10月14日(日)石狩第8回きのこ野外教室支援

藻岩山きのこ観察会
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活動報告の詳細
 10月14日(日)石狩第8回きのこ野外教室支援
2012.10.14
10月14日(日)石狩市企画経済部農林水産課といしかり森林ボランティア「クマゲラ」共催で、秋後半の澄み切った快晴日にきのこ野外教室が開催された。私は中田理事長、張替理事のお伴をして初めて外部主催のきのこ教室に出席させていただいた。私はこれまでいくつかの会に入って森林ボランティア活動に参加していることから、行事が重なり当会主催のきのこ観察会以外には出席したことがなく今回、外部の行事に初めて参加した。当初、私はお二人の運転手役と物持ち随行員として参加のつもりでしたが、一緒にきのこ狩りをしたみなさんからきのこの名前を尋ねられ、いつものことながら私のきのこの知識の無さに改めて淋しくなった。今年の気候はきのこの成長にとって、過酷な条件であったようです。やはり、8月、9月の高温はきのこ達には発生条件が満たされず、10月に入って一気に気温が下がり、ようやく一斉に目覚める時期を迎えたように思われます。端的なのは、いつも8月下旬〜9月にかけて発生するハナイグチ(ラクヨウタケ)、ナラタケ(ボリボリ)などが10月に入ってようやく、一斉に花(子実体)が開いたようです。やはり、自然の摂理は素晴らしいものだと思いました。きのこ採集フイールドの目的地の厚田公園キャンプ場は丘陵地に挟まれ、森のなかに小さな河川が流れており海からも近いこともあり、浅瀬でジャンプする鮭の遡上を見ることができました。その鮭を狙って熊たちが闊歩し、今朝ほども頭のみ食べた鮭の残骸が7〜8匹ほど集められており、「クマゲラ」の会員たちが爆竹などで熊を追い払っている様子は壮観でありました。
 今日の参加者は石狩市民の総勢35人でこれを2班に分け、きのことり態勢に入りました。丁度、広々とした公園に幾分のシラカンバ等の木立の残る草地とササやぶの山地に入る場所が設定され、熱心に探し始めた。最初は数人かたまって探していましたがやがて自分の場所を探し出し熱心に目を凝らすようになって行きます。参加者は初めての人からベテランまで多様ですが、その目は獲物を探す動物たちの目になっていました。歓声やら失望の声も聞こえますが、黙々と探し、見つけても静かに何事もなかったように次への獲物を探している人もいます。賢明な探し方です。時間がたつと、きのこの名に自信の無いものを持って来る方が多くなってきます。私のところには来て欲しくないのですが、バスの中で「きのこ」の先生の一人として紹介されてしまいました。今更否定できません。菌類の勉強は少しはしたことがあるものの、名前を知っているものは少しです。きのこの顔と名前が一致しません。ただし、私も年の数だけ取ってきているので、昔から田舎で採って食べていたもの、身近にあった毒キノコ類はほんの少しは分かりますが、参加者とほぼ同じ程度です。私は素直にそのことをお話し、知らないきのこは採らない、食べない、人にあげない、を徹底しています。今回採集した食べられるきのこで多かったものの一つに、ナラタケがあります。このきのこに少し視点を当ててみたいと思います。この種は樹木の病原菌でもあり、果樹農家や林業者に取りましては嫌われ者です。またジャガイモ、ニンジンなどでの発生の報告があります。このナラタケ類につきましては樹病菌として、枯死植物や生木にも寄生する菌糸体はその部分だけで完了するのではなく根のような菌糸束を形成し、離れたところに新たな子実体を発生させます。アメリカでミシガン州の広葉樹林の土壌を調べた結果、その面積は15ヘクタールにも及び、その全ての菌糸が同一の遺伝子を持つ個体であり、総重量にすれば100tを超える巨大生物になると云う事が報告されています。また、ナラタケ類は以前、ナラタケモドキとナラタケの2種とされてきましたがその後、世界では30種以上分類され、日本でも6種(ナラタケ、ツバナラタケ、コバリナラタケ、ホテイナラタケ、ヤワラナラタケ、ヒトリナラタケ)が報告されておりますが、病原菌としての強弱は種によって異なるようで現在、その研究が進行形のようです。そうこうしているうち、参加者が多くのきのこをそれぞれ袋やかごに入れて戻り、自慢し合い皆それぞれ満足な表情でした。ここで一首つくりました。{秋の陽を浴びて厚田の森の香と きのこを採りて誇らしく歩めり} きのこ採集後バスで移動し、いしかり森林ボランティア「クマゲラ」さん達の汗の結晶である「千年の森」を見せていただき、会員のみなさんのまとまりと意気込みを肌で感じました。その後「みなくる会館」でおいしいきのこ汁をいただきながら楽しい昼食をとりました。昼食後は中田会長、張替理事によるきのこ教室が実施され、本日、採取したきのこをテーブルに並べ食べられるきのこ、毒きのこ、不食に分け、解りやすい説明にて参加者の皆様も真剣に聞き入っていた。そ後、参加者はそれぞれ自分が採ってきたきのこが食べられるのかを聞く人が多く盛会裏に終了した。
記:開本孝昭。 講師:中田理事長、張替理事。

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